新型コロナウイルスの感染がおさまらない中、もし別の大きな災害が起きたら…。私たちに出来ることを考える。
東大阪徳洲会病院の院長、橋爪慶人さん。新型コロナウイルスの感染が拡大する今こそ、地震や台風など大きな災害に備えるべきだと考えている。
橋爪さん「まず、一番難しいのは避難所の運営になるのかな。どうしても人の密集が避けられない状況になりますし」
ただでさえ、避難所では体調を崩す人が多くなる中、新型コロナウイルス感染への不安や危険が重なると、運営も非常に難しくなる。
阪神淡路大震災から災害医療に携わり、世界各地の被災地で活動を続けてきた橋爪さん。「災害への備えは平常時以上に必要だ」と警鐘を鳴らす。
橋爪さん「災害が起こった時の援助物資が届く期間が、今はだいたい3日くらいで届きます。コロナによってもうちょっと長くなる、その間に自分が生活できる状況を維持しておく。薬であれば、普段一週間と言っているのが、今回2週間くらい持っておいた方がいいかもしれないという感覚でいいと思います」
国や行政の支援がうまく機能しない可能性があり、自分の力で耐えられる期間を長くする必要があるのだ。
一方、日本赤十字社大阪府支部で災害救護や防災の啓発を行う新谷隆博事業部長は、避難を“分散させる”必要があると指摘する。
新谷さん「まず、在宅避難ができるのであれば、在宅避難を優先に考えていただいて、どうしても学校等の避難所に行かなければならない方もいらっしゃますが、おうちでテントをお持ちの方がいましたら、学校の校庭でテントを設置してテントでの避難、マイカーでの避難も考えられるかと思います」
自宅や学校、車での避難のほかにも、ホテルや旅館を避難所として利用できるようにしたり、安全な地域に住む親せきの家に身を寄せたりするなど、様々な方法で“3密”を避けることが重要だ。
橋爪さんが新型コロナ対策に乗り出したのは、国内で初めて感染者が確認された1月中旬。災害現場の難局を数多く目にしてきた橋爪さんだからこそ、早め早めの対策を打ってきた。その医師が今、伝えたいことは…。
橋爪さん「コロナがあったから、この地震でひどくなったよねということ、リスクを下げておくことが大事かなと思います」
世界で拡大を続ける新型コロナウイルス。橋爪さんはこれまで経験してきた災害医療の延長線上にあると考えている。
橋爪さん「災害って自然災害と人的災害。自然災害とは火山爆発、地震津波、その中に感染症のパンデミックというのは入ってきます」
ーーこれは災害なんですか?
橋爪さん「これは災害ですよ。うん」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース